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欧州は独自の世界的なカード決済サービスを構築すべきか

欧州中央銀行(ECB)のメルシュ理事は9月3日、「欧州は独自の世界的なカード決済サービスを構築して既存のサービスと競争すべきだ」と提唱したと報道されています

確かに、EuropayがMaterCardに買収されてしまってから、欧州に本部を持つ国際カード会社はなくなってしまいました。世界的な接触型ICカードの標準である「EMV」の語源が、Europay、MaterCard、VISAの頭文字だと知らない人も多いと思います。イノベーションから取り残されるのでは、という欧州の当局者の心配は理解できます。

とはいえ、社会主義の中国ではないのですから、国策でカード会社を設立するのも時代遅れな感じがしますし、仮にやっても成功しないと思います。その中国だって、アリペイやウィチャットは純粋民間会社ですからね。

「欧州の銀行はカード決済サービス・ビジネスの多くを「諦めた」ように映る」といっても、まだ欧州では銀行本体でカードを発行している訳で、リテール金融ビジネスへの足掛かりを持っている点は、日本より遥かにマシだと思います。

こういう議論を聞くにつれ、日本が当時の大蔵省と通産省の合意により、政策的に銀行とクレジットカード業務を分離したのは、なんと愚かな判断だったのかと思います。あるべき金融制度を考えてそうなったというよりも、役所間のデマケの結果、そう決まったというのが悲しいです。世界中の銀行を見ても、自らクレジットカードを発行していないのは日本だけです。今、日本の銀行がリテール金融サービスになかなか再参入できないでいるのは、当時の政策判断の誤りに大きな原因があると思います。