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日銀旧館のドーム屋根の裏側をみると

日銀旧館は明治の西洋建築を代表する貴重な文化遺産である。かつて千円札の図柄にも描かれたこの建物は、明治の雰囲気を留めながら、現代でも金融の中心地として使い続けられているところに価値がある。この建物の内側は実は割とよくテレビに登場している。明治を舞台にしたドラマやドキュメンタリーの撮影に使われるからだ。建物の外側も、欧州の都市の雰囲気に似ているために、ファッション雑誌の撮影場所に使われていて、外国人モデルがポーズをとっているのを何度もみかけたものだ。

私は日銀に33年間勤務し、そのほとんどの期間は本店勤務だったから、この建物の新館、旧館、別館で各々過ごしたことがある。1994年から3年間は、旧館のドーム屋根の真下にある「八角部屋」に金融研究所の職場があった。高い天井で、かつてはシャンデリアが吊られた役員室だったらしいが、私が勤務していたころは冷暖房の利きが悪くてちょっと薄暗い部屋で、快適なオフィスとは言い難かった。しかし、この重要文化財の建物の中で充実した研究生活を送ることができたのは、幸せだったと思う。

ここに掲げた写真は、本ホームページのトップに表示される4枚の中の1枚だ。私が日銀で最後に務めたFinTechセンター長の部屋から旧館のドーム屋根の裏側を撮影したものだ。ドームの裏側は正面から見えないので、この角度から撮られた写真は珍しいだろう。よくみると、ドーム屋根の裏側にはドアが付いている。ドアの内側は天井裏だから、不思議な景色に見えるが、これは建物の整備をするときの作業員が出入りするドアなのだ。

現在、このドーム屋根は改装工事中で、いったん解体されて基礎から組み立てなおされている。改装が終わったら、奇麗になった日銀旧館をあらためて見に行きたいと思う。