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Tetherに何が起きているのか

ステーブルコインTether(USDT)に何が起きているのだろうか。引き続き、BTCに次ぐ市場第2位の取引金額を誇るTetherの相場が1ドルから乖離して増価したまま年末を迎えた。10月以降、1ドルが維持できず、最安値では0.94ドルを記録していたが、12月に入ると1ドルを上回り始め、年末は1.02ドル近辺におちついている。ほんの数%とはいえ、発行総額 19億ドル、日々の取引額が 20~60億ドル に達するステーブルコインだから、僅かな振れでも増減額は大きい。この3か月の値動きは、過去には見られなかった現象である(グラフの緑線が価格、青線が発行総額)。

ちなみに、Tetherを模倣する形で発行されだした他のより小規模なステーブルコインであるUSD CoinやTrueUSDには、Tetherほどのターゲットからの乖離は見られない。ターゲットを上回っているのであれば、新規のTetherを発行して鞘を稼ぐことができるはずだが、発行額は増えていない。

10-11月におけるターゲットからの下振れで信認を失いかけたTetherが発行額を減らし、市場の需給でターゲットを上回るようにコントロールしているようにも見える。しかし、そもそもターゲットからの乖離が続いているのであれば、将来にわたってターゲットを維持すると市場から期待されるものだろうか。

11月の大幅な下落から3割ほど値を戻し、やや落ち着きを取り戻したように見える暗号資産市場だが、不安の種は残ったままだ。当面は、市場の動きを見極めていく必要があるだろう。