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そのハンコ、本当に必要ですか

元旦の日経新聞の記事「そのハンコ、必要ですか」は全くの正論。私も同じ趣旨のFB投稿を1年以上前に書いている。銀行預金の印鑑による認証をなくすべきとは、20年も前から言っているのだけれど、ほとんど改善されない。

「この認証機能は、従来は小切手などに署名・捺印することによって実現されてきたもので、これを通信ネット ワーク上で実現するために暗号が利用されている。そう考えると、金融と暗号との 関係も理解しやすい。 通信ネットワークを利用した形態以外でも、たとえばセンターとの接続なしに安全性の高い認証を行うためにICカードを利用するとか、指紋、虹彩、音声、筆跡といった人間の身体的特徴を利用して本人確認を行うバイオメトリクス技術など、取引の安全性に対する要請の強い金融業務に利用可能な様々な情報セキュリティ技術 が開発されている。」(松本 勉/岩下直行、「 金融分野における情報セキュリティ技術の現状と課題」、1999.4)

「(a)さまざまな技術革新によって印鑑、印影、各種印刷物、磁気カード等の偽造が容易になっていること、(b)暗証番号の盗用や推定が巧妙に行われるようになっていること、(c)金融機関側も、店舗の人員削減等により、従来ほどのセキュリティ対策への配慮が期待できないおそれがあ ること、等を考えると、「これまで大丈夫だったので、これからも大丈夫」と判断 することには慎重であるべきと思われる。したがって、既存の金融取引で利用される認証方式についても、磁気カードよりも安全性の高いICカードの採用や、暗証番号に加えてバイオメトリック認証を導入するといった選択肢について、検討のスコープを広げていくべきであろう。」(松本 勉/岩下直行、「 金融業務と認証技術:インターネット金融取引の安全性に関する一考察 」、2000.4)

世界の主要国で印鑑を金融取引に使っている国など他にない。預金の自動引落申請を印鑑レスでできないのは銀行側の業務仕様とシステムに問題がある。通帳と印鑑をなくしていくことは、FinTech普及のためにも欠かせないのに。