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ビットコインの一人勝ち相場がもたらすもの

ビットコインの対ドル相場は、あっという間に6300をうかがう展開になっています。TetherとNY州司法当局を巡る騒動や、Binanceのハッキング事件といったネガティブな要素がありながら、これだけ急騰するのは驚異的ですね。

BTC相場(過去7日間)

この間、暗号資産全体の時価総額(Market Cap)は、$180 B から $190 B に上昇しただけです。この一週間の相場を描くと、BTCとはだいぶイメージの違う絵になります。

暗号資産全体の時価総額(過去7日間)

これはどうしてかというと、BTC以外の暗号資産の時価総額は、この一週間で全く増えていないんですね。むしろ減っています($ 81 B → $ 80 B)。

BTCを除く暗号資産の時価総額(過去7日間)

つまり、この一週間だけ見ると、BTCの一人勝ちなわけで、BTC Dominanceは 57.9% にまで上昇しています。実に、2017年12月以来のことです。

暗号資産のコイン別シェア(過去6年間)

これからの相場の方向性はもちろん分かりませんが、私が気になっているのは、BTCのマイニングの復活によるエネルギー浪費問題の再燃ですね。まあ、相場が1.5倍になっただけでは、マイニングビジネスの将来がすごく明るくなるという訳ではないのですが、長期にわたる設備投資を必要とするビジネスですので、将来の予測が大きく働くんですね。実際、しばらく休止させていたマシンを再稼働して、マイニングビジネスを再開した企業がいるようで、ハッシュレートは既往ピーク近くまで上がってきているのです。

ビットコイン・ブロックチェーンのハッシュレート(過去2年間)

この結果、一時低下していたマイニングの難易度もまた上昇しています。電力の価格がこの間下がった訳ではないので、マイニングのコストはとても高くなっている訳で、2017年末~2018年初とは状況が全然違います。

ビットコインの採掘難易度(過去2年間)

BTCが2017年末のように価格上昇したとしても、実はマイニング・ビジネス自体はそんなに儲からなくなっているんですね。それでも、もし仮に、BTCの価格が過去のピークを上回るような超強気の予想を持っている人が増えているとすると、地球環境問題への影響が再び深刻化することになります。それはそれで、あまり持続可能なシナリオとは言えないだろうと思います。