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ICOを「肌感覚」で語ってはいけない

コインチェック社元社長の3回連続のインタビューが掲載されていたので、期待して読んでみたら、全部で3ページしかない。ちょっとがっかり。中身も薄かった。

一点だけ気になったのは、「あくまでも肌感覚だが、現在出てきているICOの案件はきちんとしたプロジェクトが多い。」との発言だ。詐欺が多いICOを「肌感覚」で語るのはどうかと思う。

ちゃんとデータを見てみよう。coinschedule.com の統計を見ると、昨年末から半年ほど、ICOはすっかり低調だった。この5月に実施されたBifinexの10億ドルICOが久々の大口案件になっている。既に発行されたトークンの価格が低迷し、新規のICO発行が難しい状況であれば、もっともらしいICO案件しか成立しないのは当然だ。だからといって、ICOが夢の資金調達手段である訳がない。tokendata.io の市況データを見れば、発行価格を超えているトークンは僅かしかない。発行体にとっては返済しなくていい夢の調達手段でも、投資家が軒並み損していたら続くわけがない。

それにしても、Bifinexの10億ドルICOと、Tetherの増発、Bitcoinの急騰の時期が重なるのが気になる。色々なシナリオが考えられるけれど、どれも「きちんとした」ものではないように思えるのだが。