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コロナ後の世界はどうなるか

米国ボーイング社の危機は、国内外の移動でボーイング社が製造する航空機に搭乗する身としても、また、様々な国際貨物便の恩恵を受けている身としても、他人事ではない。米国政府が航空産業全体を支援すると表明するのは理解できる。

とはいえ、コロナショックは世界を大きく変えるかもしれない。人類は、かつてのようには世界を飛び回らず、対面会合ではなく電子会議で済ませようとするだろう。その技術は既に存在していたから、あとは人々が習慣を見直すかどうかにかかっていた。対面会合とは違い、ちょっとした技術やツールの使いこなしが必要とされるから、「電子会議では本当の議論はできない」といった言い訳がされてきた訳だけれど、本人の健康と命がかかっているとなれば、そうは言っていられないだろう。多くの会議が、各参加者が自分のPCから参加する電子会議に移行すると予測するのは、今ではそんなに特殊な意見ではないだろう。既に多くの人がそれを強いられ、何とか対応してきているのだから。

そう考えると、はたして航空産業はこれまでと同じだけの需要を維持できるのだろうか。ビジネス客が乗らなければ、航空会社の収益が上がらないから、格安航空券も出回らず、家族で行く海外旅行は高くつくことになるだろう。LCCも含めて、需要全体が落ち込めば、現在の輸送能力は過剰ということになる。コロナショックで一時的な落ち込みを見せるだけではなく、落ち込んだ状態が相当長く続くかもしれない。それは、インバウンド観光に賭ける観光地にとっても大きな試練になるだろう。米国の航空機製造業や航空産業を公的資金で支えることも、コロナ後の世界がどうなるかで、判断が分かれるだろう。

コロナ後の世界がどうなるかは、この新しい感染症がどのような決着を迎えるかに依存する。全世界で抑え込みが効かず、感染の拡大が一気に広がって集団免疫を獲得するまで猛威を振るうならば、人的犠牲は大きいが、その後の社会は元に戻るだろう。しかし、ある程度の抑え込みが効いた国とそうでない国が入り乱れた状態になると、人が国境をまたいで移動するのはとても大変なこととなる。そうした世界では、人々はオリンピックの代わりにEスポーツ観戦に興じることになるかもしれないし、人間が移動する代わりにVRなどの技術を使うのが当たり前になるかもしれない。最終的に、人々が都市に集まって住むことも、会社や学校に通うことも必要なくなるかもしれない。

多分、標準シナリオは、世界が元に戻るというものだと思うけれど、そうではない可能性を考えておくことも大切だと思う。