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第7回 規制改革推進会議

第7回 規制改革推進会議(令和2年6月22日)の議事録が公開されました。Zoomで開催した会議です。この会議では、「デジタル時代の規制・制度の在り方について」と、「書面規制、押印、対面規制の見直しについて」の二つの議題が議論されました(資料はこちらをご覧ください)。議論の全体については議事録を読んでいただければと思いますが、席上、両方の議題について発言させていただきましたので、いつものように、自分の発言部分だけ以下に転載しておきます。

なお、後段の押印の見直しへの発言において、「内閣府、法務省、経産省による『押印についてのQ&A』は、パスワードを同じメールアドレスに別送する、いわゆるPPAPを推奨するものではない」という点について、改めて注意喚起を行いました。ハンコ廃止により社会の効率化が進む方向であるにもかかわらず、無用なPPAPもどきが増殖して非効率となることを危惧したからです。

今回の見直しが世の中に普及していく過程では、社会の様々な場所で試行錯誤が行われることになるでしょう。せっかく良い方向に進み始めた改革の効果を減殺しない工夫が必要ですから、少しでもこの注意喚起が関係者に響いてくれることを期待しています。

デジタル時代の規制・制度の在り方について

○岩下委員 どうもありがとうございます。

私は、ただいま高橋議長代理からお話のありましたデジタル時代の新しい規制の在り方について、全面的に賛成であります。大変重要な案件を、この短期間にこういう形でまとめ上げることができたのは大変よかったと思います。

今回は、とりわけコロナショックを踏まえて、我々が迅速に規制の在り方について考え直さなければいけないということで、従来、ともすればそういう見直しの対象外となりやすかった岩盤的な部分についても、相当踏み込んだ形で様々な提言ができたことは、大変よいことだと思います。

例えば今、御発言の中にもありましたとおり、対面、書面、押印といった様々な現在の日本におけるビジネス慣行で、それが規制あるいは政府の様々なルールに基づいて処されるものであるとすれば、そこの部分を見直していくべきであるということについての方向性を示すことは大変いいことだと思いますし、それはそういう非効率な部分が現在の日本のビジネス慣行にあって、それを見直していくことによって日本のより効率的かつ強靭な経済を得ることができるという意味で、大変よい見直しの方向になったのではないかと思います。この文書が公開されて、早速実行に移されて、それが日本の規制あるいは日本の社会・経済のために大きく寄与することを期待するものであります。

以上であります。

書面規制、押印、対面規制の見直しについて

○岩下委員 どうもありがとうございます。

私は以前、東京を世界の金融センターにいかにしていくかという趣旨の会議に出ていたことがございます。その際に、日本在住の外国人の金融マンから、日本は未来永劫そうなれないだろう。なぜならば、日本には判子があるからというふうに言われたのが大変印象に残っております。

また、私は20年ほど前に電子署名法ができる際、電子署名法の中で政府等の重要な機関が利用するべき電子署名の技術的な安全性を評価する委員会、CRYPTRECという委員会がありますが、そちらの創立メンバーに参加させていただきました。

そちらで、例えばRSA-PSS署名などを利用すべき署名アルゴリズムとして採用したということもよく覚えておりますので、そうした努力があったにもかかわらず、この20年間、残念ながら日本は世界の金融センターになれない、印鑑を利用し続ける国であったということは大変残念であったと思います。

ただ、今回の3省による文書は、内容は20年前に議論したことと実は全く同じでありまして、何も変わっていないのですが、これをこういう形で広く人々に知らしめるようになったということが極めて意味があることであり、かつ、行政機関の押印のルールも同時に見直すというところが非常に大きな意味を持つわけであります。

そう申しますのは、多くの書類は民間から民間の取引があった後で、例えば税務署へ、あるいは様々な行政機関に証拠として示されるBtoBtoGといわれる取引がございますが、最終的な政府機関のところでやはり印鑑が必要だと言われると、事前にどれだけ民間同士が印鑑なしでいいと合意していたとしても、それは破られてしまうから、印鑑を使わざるを得ないからであります。

そこが、そうではなくてよくなったという方向が大きく示されたということは、実際にはまだまだ長い闘いが必要だと思いますが、非常に大きな一歩を踏み出したものと考えます。

1点だけ、先ほど御説明していただいた3省の公表文書は非常によくできておりますが、一番最後の代替手段のところで、PDFにパスワードを付与し、そのパスワードを携帯電話等の別経路で伝送することによって証拠性を担保するというような事例が書いてあります。

これは現在、実際に皆さんも使われていると思いますが、暗号化された電子メールが送られてきて、そのパスワードが直後に送られてくるという、実はセキュリティー的にはあまり意味のない行為とちょっと似ています。この別経路というところが非常に重要なのですが、そこがあまり強調されていないので、結果としてパスワードをみんなが送り合って、暗号化された電子メールを使い合ってしまうということがあまりに多くなると、かえって効率が悪くなりますので、この部分については、本当に必要なものについてはこうしたことも必要かもしれませんが、多くのものは、単にPDFファイルをCC等で関係者が送り合えば十分であるということを改めて強調していただければありがたいと思います。

私からは以上です。