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AIが作る講義紹介動画

GoogleのNotebookLMというAIを使って、自分の講義を紹介する動画を作ってみた。
以下の4本は、授業で配布している講義ノートをNotebookLMに読み込ませ、その要約をもとにAIが自動生成した会話形式の音声を素材にして作ったもの。音声に静止画を重ねただけの簡単な構成だが、案外まとまった仕上がりになっている。

NotebookLMは、資料やウェブサイトを読み込ませると、その要点を整理してくれるAIツールで、いわば「自分で調べ物のノートを取ってくれる」ような存在だ。資料の要約をする生成AIは他にも色々あるが、このツールの特徴は、要約結果を数分の会話形式にまとめて出力してくれるところにある。最近この機能が気に入っていて、いくつかの資料で試している。

特に、自分で書いた文章や作ったサイトを読み込ませたとき、AIがそれをどう捉え、どんな会話に仕立てるのかを見るのは興味深い。NotebookLMの会話生成は、ある程度決まった型に沿って作られていて、要約の内容をその枠にはめ込む仕組みになっている。素材の選び方には多少のバラつきがあるが、大筋としては妥当なところを拾っており、要約としての完成度は高い。もちろん、資料に含まれる情報が多すぎると、うまくまとまらなかったり、こちらの意図とは少しずれることもある。それでも、AIがここまで自然に要約・構成できるようになったのかと、感心させられる場面も多かった。

気になったのは、元の資料に書いていないことまでAIが補って解説してしまう場合があることだ。悪意があるわけではなく、文脈的に補足したくなる気持ちはわからなくもないのだが、その補足が不正確だったり、ずれた内容になっていることもある。こうした点は、すべての内容を把握している作者だからこそ気づけることで、AIの出力をそのまま鵜呑みにするのは危うい。

今回の動画の元になった講義ノートは、授業用に配布しているもので公開はしていないが、このような要約形式であれば外部に紹介しても問題ないだろう。シラバスの文面だけでは伝わらない雰囲気を、こうした会話形式の動画で伝えるのは案外効果的かもしれない。学生にとっても、文章を読むより会話を聞く方がとっつきやすい。

ただし、少し残念なのは、私は来年退官するので、上記の講義を開講することはないということだ。来年度のシラバスを分かりやすい動画で紹介することはできないが、こうしたツールの使い道は、今後さらに広がっていくだろう。生成AIの教育利用も、これからさまざまな形で展開されていくに違いない。