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消費税の軽減税率をやるなら早めにIT活用に舵を切れ

サマータイムの話で思い出したのですが、消費税の軽減税率は事業者にとっては相当面倒で、やらないに越したことはないと思っていました。過去の2度にわたる税率10%への引き上げ延期のため、すっかり過去の話になっていましたが、来年の10月からはついに軽減税率が始まるわけです。相当な準備期間があったはずですが、実際のところ準備は進んでいるのでしょうか。

たまたま、この7月に出た「よくわかる消費税軽減税率制度(平成30年7月)」を読む機会があったのですが、これはとても運用が面倒だなと感じるとともに、税務サイドにITを活用する意思やビジョンが感じられないように思いました。

軽減税率は主に食料品が対象ですが、外食とケータリングは対象外です。両者の境界にあるテイクアウトやイートイン、出前や宅配については、いくつかの原則が示されているのですが、結局、外食かテイクアウトかは、顧客に意思確認する方法で判定します。「店内でお召し上がりですか」という質問への答えで、税率が変わる訳です。イートインスペースがあるパン屋さんで買う場合、店内で食べると、外食として税率が高くなります。この辺の話が丁寧に図示されていましたが、これを本気でやるのかと思うと頭を抱えます。でもこれ、今さらやめるわけにはいかないのですよね。

多分、本当の変更は平成35年(!)10月からのインボイス制度導入なのでしょう。ここにも、「適格請求書発行事業者の登録」という手続きが待っていまして、その登録を行わないとインボイスは発行できませんが、登録するとインボイスを交付し、写しを保存する義務が課せられます。まあ、今のレシートや各種領収書もほぼインボイスなのですが。

書類の交付と写しの保管を義務付ける狙いは、税務署の調査を確実かつ効率的に行えるようにするためでしょう。税務署側の効率化も大切ですから、この辺は請求書・領収書の電子化と合わせて、情報システムを大いに活用すべきところだと思います。民間サイドでは既にそうした提案は色々と出てきているのに、税務署の手引きは相変わらずエクセルで作るかのようなよくある証票が描かれています。銀行法で銀行のAPI接続は義務化されたのですから、税務データ、取引データも電子化を基本とした方がいいと思うのですが、税務署の想定する納税者というのは、相変わらずITが分からない中小企業経営者であるかのようです。

この辺の実態を見ていると、電子政府とか政府CIO導入と言っても、実質的な変化はあまりないように見えてしまいます。電子政府かというのは政府の中だけを電子化してもだめで、民間とのネットワーク化が大事なはずです。そこはもうインターネットに頼るしかないわけですが、今回のサマータイム騒動にみられるとおり、情報システムはすぐには変えられません。早め早めの事業者との合意形成が必要なはずですが、そうしたビジョンが議論されてはいないようです。ほとんどの事業者が関わってくるこの大きな波に乗り遅れると、もう次のチャンスはなさそうなので、とても心配しています。