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中国のデジタル通貨は脅威なのか

暗号資産関連のメディアに、こんなニュースが流れていました。

このDCEP(Digital Currency Electric Payments)という中国のデジタル通貨についての情報は、まだ暗号資産関連メディアにしか載ってないようですね。「可能性に言及」しただけですから、もっと公式な情報がないと何とも言えないということでしょう。

フェイスブック社のリブラもそうなんですが、デジタル通貨といっても、結局は技術として permissioned blockchain が利用されるのだとすれば、今のクローズドな銀行間決済システムとそれほど大きくは変わらないと私は思います。ところが、多くの人々が、中国のデジタル通貨について、まるでビットコインのような、(1)持っていれば価格が上昇し、(2)個人が所有可能で、(3)国際的に通用する独自の価値を持つもの、というイメージを共有しているようです。

冷静に考えてみれば、(1)そもそも価格が変動したら通貨としては使えないでしょうし、(2)銀行間決済のための決済手段を個人が所有しても便利ではないでしょうし、(3)国際的に通用するためには海外の金融機関も permissioned なグループに参加する必要があるけれど、中国主導でそれが簡単に実現するとも思えない訳です。共有されているイメージとは違って、ある国の国内銀行間決済システムが更新されるだけなら、そんなに騒ぐことでもないと私は思います。

もともと私は中央銀行の情報システムの構築に関与していたので、中国の銀行間決済システムが新しい技術を使うのであれば、もちろん関心はありますが、それって相当マニアックな話題だと思うんです。リブラを巡る米国議会の公聴会でフェイスブック社のザッカーバーグがデジタル通貨における中国脅威論を展開していましたが、 そういう話ではないように思うんですけどね。